インプラントの治療後、顔の脱毛(ヒゲの脱毛)はできるのだろうか
脱毛は、エステティックサロンや医療クリニックで施術してもらう時、基本的にアクセサリーや金属類は、体から、はずしておく必要があります。
では、インプラントは金属です。
インプラントが入っている場合はどうなのでしょうか?
このページでは
- 顔のレーザー脱毛(ヒゲの脱毛)ができるのかどうか?
- インプラント周辺の美容の施術をしてもいいのだろうか?
について、解説していきます。
※ 以下 エステティックサロンをサロンと省略
脱毛の仕組みとは
「インプラントしていても脱毛できるのかどうか」を解説する前に、まず脱毛の仕組みについて説明します。
医療用のレーザーの脱毛は、毛に含まれている「メラニン色素」のみに反応するレーザーを肌にあて、毛を生やす元となる部分を破壊する脱毛方法です。メラニンに反応して、熱エネルギーが生じ、毛根にある「毛母細胞(もうぼさいぼう)」を破壊します。毛母細胞は毛を生み出す働きがあるため、破壊されるとその毛穴からは毛が生えてこなくなります。
サロンでの光照射する脱毛も似たような仕組みですが、医療用レーザーと比べて、出力が弱く、効果も低いのが一般的です。そして医師や看護師ではなくエステティシャンが施術する違いがあります。
インプラントをしていても顔の脱毛(ヒゲの脱毛)はできますか?
インプラントをしていても、多くの脱毛サロンや医療美容のクリニックでは、顔の脱毛ができると判断されており、レーザーがインプラントに直接影響を与えることは基本的にありません。しかしインプラントはそもそも、外科的処置が伴う治療です。
- インプラント周囲に炎症が生じている
- インプラントがまだしっかりと定着していない
など、
口の中の状態により、トラブルが起きる可能性はゼロではありません。サロンやクリニックにインプラントをしていることを伝え、 以下の注意点を守りながら、施術されることをおすすめします。
インプラントの治療後に顔の脱毛(ヒゲの脱毛)をする時の注意点
インプラントを入れていても、レーザー脱毛の医療美容を受けることができると言われていますが、トラブルを避けるためには、注意していただきたいことがあります。
トラブルを避けるポイント
- インプラントが定着するまで顔の脱毛を控える
- インプラントが入っていることを必ず伝える
- 医療機関での脱毛をおすすめします
インプラントが定着するまで顔の脱毛(ヒゲの脱毛)を控える
インプラントは、外科手術を伴う治療なので、周囲に腫れなどの炎症が起きたりします。そのためインプラントが定着するまで、刺激を避けることは必須です。インプラントを埋入してから定着する期間(およそ半年間。人によって異なります)は顔の脱毛は避けるほうがよいと言えます。
インプラントが入っていることを、必ず伝える
脱毛のクリニックやサロンなどで施術を受ける際、「問診票の項目」にインプラントの有無についてや既往歴を記入するところがない場合があります。インプラントの金属についての理解が少ないところもあるため、必ず、「インプラントを入れていること」を伝えましょう。
事前に伝えることで、インプラントの状況や脱毛の方法などを、総合的に判断し、施術できるかできないかも含め、安全対策をしてからの施術になると考えられます。問診やカウンセリングの時にインプラントの有無の質問がない場合は、安全のために、自ら申告することを忘れないようにしましょう。
医療機関での脱毛をおすすめします
医療美容の場合は、医師が常駐しているため適切な診療を受けることができますが、 サロンでは医療行為ができないため、施術の可否、万が一のトラブルに関しての対応ができない場合もあると考えられます。可能性が低いとは言え、インプラント体に熱が伝わり変形・変質などのトラブルや火傷などもあり得るため、医療機関での施術を受ける方が安全といえるでしょう。
ひげ脱毛でインプラントのところが痛む?
近年では、男性の脱毛に対する意識が変わってきており、レーザー脱毛を利用する率も増加の傾向です。特にヒゲに対する脱毛の人気が高く施術を受けたい人も多いようです。
「ヒゲの脱毛の施術中にインプラントが痛くなるって本当?」
前述のとおり、痛みが発生する可能性があるのは、インプラントの金属が脱毛のレーザーや光に反応し熱を帯びることが原因です。実は、ヒゲの脱毛で痛くなるのは、インプラントよりも、むしろ、差し歯や銀歯の金属のほうがレーザーに反応し、刺激されやすいと言われています。
インプラントをしていてもひげの脱毛は、影響がないと言われていますが、医療美容クリニックやサロンによっては、脱毛の施術が不可であるところもあるため、事前にインプラントが入っていることを申告しましょう。問診票だけではなくカウンセリングでも「インプラントが入っていることを伝えること」が安心な施術を受ける上で重要です。
インプラントの治療後の糸リフトやハイフってどうなんだろう
インプラントをしていても、脱毛以外の医療美容やエステサロンの施術を受けることができるのでしょうか?
インプラントを入れているのですが、糸リフトの施術はできるのでしょうか?
基本的に可能だと言われています。 インプラントが埋入されている箇所によって、不可のケースもあり得るため、事前のカウンセリングで相談されることが必要です。歯科の治療は口を大きく開ける必要があります。糸リフトの施術は「インプラントのメンテナンスの予定の日程」も合わせて相談されることをおすすめします。
※糸リフト(スレッドリフト)の施術後は、口を大きく開けにくいため、歯科治療は一定の期間、お休みになるそうです。
インプラントを入れているのですが、ハイフはできますか?
基本的に施術ができると言われていますが、注意が必要です。 必ずインプラントが入っていることを伝えましょう。施術中に歯や顎に響くような痛みを感じることがあります。医療美容クリニックやサロンによって施術不可とされているところもあるため、事前のカウンセリングで相談されることがおすすめです。
ハイフとは?
「ハイフ」とは、通常のレーザーや高周波では届かない肌の層まで特定の超音波を当てる施術です。医療美容のハイフとサロンとの違いは「出力」の違いです。サロンのほうが出力が弱いと言われています。
インプラントを入れていてもエステや美顔器はできるのだろうか?
美顔器やエステ機器の種類について
そのほか、サロンで人気の代表的な「美容の施術」や「美顔器」の使用についても説明していきます。
エステサロンや家庭の美顔器の電流タイプ
- ラジオ波:電気で熱を発生させシミなどに影響を与える
- EMS:電気で筋肉を収縮させる
- 超音波:深部まで振動させる
- イオン導入:電気の力で成分を浸透させる
現時点では様々な電流がインプラントや口腔内で悪影響を及ぼしているという報告は上がっていません。しかしながら、予防の観点から、インプラントが埋入されている箇所を避け、直接当てないことが望ましいと言えます。 セルフエステではインプラント周辺は避け、セルフエステでない場合は、サロンで必ず相談しましょう。
EMS美顔器とインプラント
電気による刺激を皮膚と筋肉に与え、活性化させる「EMS」は家庭の「美顔器」だけでなくエステサロンの施術として普及されています。そして今のところ、影響は少なく問題の報告はありませんが、 施術中やセルフエステの美顔器で電流でピリピリする・響く・調子が悪くなるなどの異変を感じたら、その施術や美顔器の使用を避けるほうが安心です。
美顔器の取り扱い説明書には注意書きが記載されています。 「インプラントをしている部分は使用しないでください」などの記載がある場合は、説明書に従ってください。EMSがインプラントに影響を及ぼす根拠や裏付けはないものの、その関係性がまだ完全に解明されていないため、使用が禁止されている場合があります。
顔の脱毛(ヒゲの脱毛)やエステのときは、インプラントの申告を!
顔の脱毛はインプラントへの影響が気になる方が少なくありません。レーザーの影響でインプラントの不具合が起きる可能性はあり、100%安全という保証ないため、
- 事前にインプラントを入れていることを相談すること
- 医療機関での施術をすること
- 美顔器を使用する際は歯科医師と相談すること
が、重要なポイントです。
医療美容やエステサロンの問診票に記述がない場合は、自ら申告を忘れないようにしましょう。
顔の脱毛(ヒゲ脱毛)は、歯科医師の適切なアドバイス、医療美容クリニック・エステサロンとの相談が重要です。