インプラントの費用の仕組みと相場

インプラント1本あたりの相場について

インプラントの治療費用は歯科医院によって異なります。
適正な価格で安心して治療を受けていただくために、「インプラントの平均の相場はどれくらいなのか」、インプラントの治療費用について解説をしていきます。

インプラント1本あたりの相場30万円〜50万円

一般的なインプラントの1本あたりの相場はおよそ30万円〜50万円程度です。

インプラントは3つの部位で成り立っており、インプラント費用を検討するには、インプラントの仕組みを知っておく必要があります

インプラントは被せ物(上部構造)とアバットメント(土台)、インプラント本体で構成されています。インプラントの代金に、CT・レントゲン撮影料金や患者さまによっては、あごの骨を増やす治療費などが追加され、インプラントの費用が計算されます

「埋入の本数」については、失った歯の本数分のインプラントを埋入するとは限りません。お口の中の状態によってインプラントの本数を抑えられる場合もあります。

インプラントの価格の考え方

インプラントの費用を算出するための主な項目は、

  • 治療前の診断の為のCTやレントゲン撮影料金
  • インプラントの代金(インプラント本体・アバットメント・被せ物の料金)
  • 骨が足りない場合は、骨造成の治療費
    (サイナスリフト法、GBR法、ソケットリフト法)
  • 患者様のご希望による無痛治療費用(静脈内鎮静法) 等です。
インプラント費用の計算について

患者さまのお口の状況によって治療の方法が異なるため、正確な治療の総額は、クリニックで検査をして見積もりをもらう必要があります。特に骨を増やす治療が必要かどうかは、検査をしないとわかりません。また、被せ物の種類によってもインプラントの価格が変わってきます

アバットメントの価格を含んでいるのか

インプラントはあごの骨に埋め込む「インプラント本体」と失った歯の代わりの「被せ物」とそれを連結させる「アバットメント」の3つの部品で構成されています。

それぞれに費用がかかってきますが、

歯科医院によってインプラント1本の費用の中に
「アバットメント」を含んでいる場合とそうでない場合
「3つの部位を全て含めての価格」を提示している場合
など、様々であるため、インプラントの価格や相場がわかりにくくなる傾向が見受けられます。

※当院はアバットメント込みの費用でお出ししていますので、気にしていただく必要はございません。
※インプラントの種類によっては、アバットメントと分かれていないタイプのものもあります。

アバットメント
アバットメント

インプラントや被せ物の値段の違いって何?

インプラント本体の値段の違い

インプラント本体については、世界的なメーカーであるのか、もしくはアジア製(国産も含む)のメーカーなのか、チタン製なのかセラミック製なのかなど、メーカや素材の違いで、インプラントの価格が変わってきます

世界的なトップシェアのインプラントメーカーはストローマン社やノーベル社です。インプラントのメーカーによる違いは、長持ちするかどうかに影響すると言われています。
当院では信頼と品質の高さからストローマン社ブランドのインプラントを使用しています

インプラントstrawmann NEODENT

被せ物の値段の違い

歯の代わりになる被せ物(上部構造)は、様々な種類があります。

  • ハイブリッドセラミック
    セラミック+プラスチック。プラスチックを含むので経年で変色や劣化がある
    費用の目安:50,000円〜80,000円
  • メタルボンド
    金属の土台の上にセラミックを焼き付けたもの。もともと、強度が高いというメリットがあったが、現在はセラミックが進歩しているので、選ばれる理由は少ない。
    費用の目安:70,000円〜150,000円
  • オールセラミックジルコニアセラミック
    最も強度が高いセラミックであるジルコニアを用いたもの。審美性、耐久性ともに良い。
    費用の目安:100,000円〜160,000円

ハイブリッドセラミックの素材は100%のセラミックと比べて価格は比較的安価ですが、月日の経過につれて変色や劣化がおきます。

セラミックとプラスチックの違い

骨を増やす場合は費用がかかります

インプラントの治療は、あごの骨に埋め込むため、あごに十分な骨の高さや厚みが必要です。
歯周病や加齢によってあごの骨が不足しているとインプラントを埋めることができないので、骨を増やす治療・骨造成が必要です。
骨を増やす主な治療の種類は、

  • 上あごの骨を増やす「サイナスリフト法」「ソケットリフト法」
  • 下あごの骨を増やす「GBR法」などがあります

骨造成の治療の相場は5万円〜20万円ぐらいです
増やす骨の量によって異なります。

▶︎「骨を増やす治療について」詳しくはこちら

骨造成

前歯と奥歯のインプラントは価格が変わる?

前歯のあごの骨は奥歯よりも薄いため、骨を増やす治療をともなう可能性は奥歯と比較すると高くなります。

また前歯は、歯の色や形が少しでも違うと違和感がでます
隣の歯と分からないくらいの仕上がりにする治療は難易度が高く、見た目を気にするのであれば被せ物も最上のものをおすすめする場合が多いです。

結果として、前歯の方が高くなる場合が多いかと思います。

医院によって費用が異なるワケ

Q:
インプラントの治療をしようとかかりつけの歯科で聞くと60〜70万円と言われました。でもネットで調べると30万円ほどの医院もあります。
なぜこんなにも違うのでしょうか?

「治療の費用は抑えたいけれど、価格だけを重視しトラブルが生じるのも困る…」

歯科医院ごとの治療費の違いに戸惑う方も多いと思います。
耐久性も機能も衰えず品質を保つためには、一定の費用が必要となります。 コストがかかる理由や背景をお伝えし、 インプラントの費用が医院ごとに変わるポイントを説明していきます。

インプラントの費用が変わるポイント5つ

インプラントの適正な価格

メーカブランドの違い

無名のメーカーのインプラントの価格は、世界トップインプラントメーカーの1/10ほどの値段で安価です。しかし、品質や安全性についてはきちんと説明できるエビデンス(データによる根拠)に乏しく、品質が確定されていないことが多いです。
インプラントがどれだけ長持ちするかどうかはメーカーによって変わってきます。 世界的に信頼が高い(評判を得ている)と言われているインプラントは、

  • 部位ごとのパーツのはめ合わせが良い
  • 骨と強固に結合するなど、の理由から

インプラント周囲炎にかかりにくく、歯ぎしりなどの負担で折れにくいなど、
埋入後、10年後15年後、その違いが現れてくると言われています
機能的に優れ信頼も高く、多くの臨床データに基づいた安全性が確認されています。

スウェーデンで行われた調査です。

スウェーデンの社会保険庁による大規模調査「メーカー別インプラント生存率 」
J. Derks 他(2015 Mar)Effectiveness of Implant Therapy Analyzed in a Swedish Population

※ストローマンは世界4大インプラントのメーカーの1つです
※当院ではストローマン、ネオデント(ストローマンのブランド)を採用しています

上に付ける歯の違い

インプラント治療の費用は、インプラント本体だけではありません。
上に付ける人工の歯の種類(被せ物)によっても、費用が変わってきます。
作製される材料によってジルコニア、セラミック、ハイブリッドセラミック、メタルボンド、様々な種類があり、費用も各々です。 加えて、材料費だけでなく、歯科技工士の技術や費やす時間などの違いも歯科医院ごとに費用が変わってくる要因となります。それは、歯の部分がオーダーメイドで作製されるのか、あるいはコンピュータで設計・加工されるのか、そして技工所が持つ機器や技術の最新性などの違いです。

これらによって被せ物の歯をいれた時の感触や精度、見た目の美しさや耐久性も差が出てききます。
種類について

骨を増やす治療費が、かかるかどうか

歯周病が進行し、あごの骨が溶けている(吸収)など、患者さまのお口の中の状態によって骨を増やす必要あります。骨を増やす治療は色々あり、歯科医師の診断によって最適な治療法が提案されます。あごの骨の量や口腔内の状態、治療にかかる時間などによって費用も大きく変わってきます

「骨の再生治療によりインプラントが可能に」

材料以外でも費用の差がでてきます

インプラントの治療は、部分麻酔を行い外科的な処置を伴います。
眠っている間に治療が終了する「静脈内鎮静法」を追加される場合は別途費用がかかってきます。 他にも、歯科医院の設備によっても、治療の価格は変わってきます
「滅菌の機器の種類」「使い捨てグローブ」の違い、「専用オペ室があるかどうか」や「外科用ライトの有無」など目に見えないところでコストの差がでてきます。

医院によって費用が変わる理由は

インプラントを埋入する位置や本数は歯科医師の診断によって異なってきます。そして手術の方法(2回法がどうかなど)によっても費用は変わってきます。
「なぜ、2回も手術を行うの? 〜インプラントの手術2回法について」

そもそもインプラントの治療は、保険で定められている治療とは異なり歯科医師が独自に治療費を自由に設定できるため、治療費の差が出てきます

全部の歯をインプラントにする費用について

全部の歯を失った場合、すべてをインプラントにするのではなく、4本のインプラントで10本から12本の歯を補う「オールオン4」という治療があります。
オールオン4の相場は、レジン(プラスチック製)の被せ物の仕様で200万円から250万円ぐらいです。
この中には一般的にインプラント手術、材料の費用も含まれています。片あごのどちらか一方の値段なので、両方のあご(上下)の場合はおよそ倍の費用がかかる場合があります。
レジン(プラスチック製)ではなく、セラミックで治療する場合、おおよそ100万円の加算をする場合が多いようです。

野田阪神アルプス歯科では、「ジルコニアオールセラミック」の被せ物を標準としています。

オールセラミックのインプラント


野田阪神アルプス歯科では
セラミック加算が
無料です!

強度も美しさも兼ね備えたジルコニアのオールセラミックが料金に含まれます。一般的に100万円程度する加算料金は頂きません。

アルプス歯科のオールオン4(片顎)

ジルコニアセラミックの被せ物で

2,728,000円(税込)

オールオン4も被せ物の種類によって費用が変わってきます。
オールオン4の一般的な素材と費用の相場です。

  • アクレリックレジン(プラスチック)
    一般的な価格:​​210万円〜250万円程度
    プラスチックなので削れやすく変色しやすい、最も一般的な素材です。
  • ハイブリッドセラミック
    一般的な価格:250万円〜300万円程度
    セラミックの粒子とプラスチックを組み合わせた素材で、プラスチックより強度が高いが消耗していくため数年から5年程度で作り変えが必要です。
  • オールセラミック
    一般的な価格:320万円〜400万円程度
    セラミックは質感も強度も高い素材です。
    ジルコニアはセラミックの中でも最も硬く色も質感も天然歯と違和感がありません。

あごの骨の状態によって、「オールオン6」(埋め込むインプラントが6本)になる場合があります。

▶︎「アルプス歯科のオールオン4について」詳しくはこちら

インプラントと入れ歯・ブリッジの費用の比較

歯を失ってしまった時、3つの治療があります

  • 顎の骨にインプラントを埋め込む
  • 隣接する歯で固定するブリッジ
  • 取り外しができる入れ歯

3つの治療の中でインプラントは外科的な処置が必要で、自費の診療ですが、天然歯と同じように噛むことができ、自然で美しい口元に仕上がります。

ブリッジや入れ歯、保険適用の治療で、比較的安価ですが、 ブリッジは隣り合う健康の歯を削り連結した人工の歯を固定します。
入れ歯は金具をひっかけて留めるため、近隣の歯を傷つけ、虫歯になる可能性が高くなることがあります。またどちらも年月が経つと作り替えが必要になってきます。

それぞれのメリット、デメリットがあります。
将来的に、どの治療が自分にあっているのかどうかをしっかり検討されることをおすすめします。

詳しくはこちら 「インプラントと入れ歯・ブリッジ・差し歯の違いについて」

歯を失った時の選択肢
インプラント入れ歯ブリッジ
保険診療保険適用外5,000〜2万円ほど1万〜2万円ほど
自費診療20〜40万円ほど15〜80万円ほど5万〜15万円ほど

野田阪神アルプス歯科のインプラントの治療について

インプラントの治療において、インプラントの治療のゴールを「インプラントが骨に定着すること」とする歯科医院も多いですが、野田阪神アルプス歯科では、患者さまにとって大切なことは、インプラントの埋入後、しっかりと噛めること、インプラントが長持ちすること、そして美しい口元の実現であると考えています

インプラントの技術は埋入だけではなく、噛み合わせや歯ぐきのラインの作り方、隣り合う歯やあごの事、お顔全体のバランス等多くのことを考慮した上で治療を行うことによりインプラントを長期的に安定してご使用いただけると思っております。

また、安全で質の良い治療を行うためには、歯科医師だけではなくサポートするスタッフも技術習得のために学び、研修することが必要であると考えています。

インプラントの治療は歯科医師の技術にかかっています。
インプラントの価格やホームページなどの雰囲気だけではわからないことがたくさんあると思います

インプラントは患者さまの体の一部になるものです。安全・安心のインプラント治療をおこなうためにも、カウンセリングの時間をしっかりとり、不安な点や治療全体の計画、進め方など丁寧にご説明いたします

費用だけでは計れない保証について

インプラントの治療は埋入して終了というわけではありません。
治療費に保証が含まれているのか、治療費に含まれておらずオプションで追加なのかどうか、 またその保証の内容や適用される条件は、歯科医院によって異なります


当院では安心して治療していただけるように5年間の保証制度を設けており、定期メンテナンスをいただくことが必要です。
詳しい保証の内容やインプラントの耐久性や不安などございましたらお気軽にご相談ください。

当院のアフターメンテナンスと5年間の保障について

野田阪神アルプス歯科のインプラントの治療のお支払いについて

お支払いのタイミングについて

インプラント治療のご相談(ご納得いくまで何度でもカウンセリングを行います)の上で、治療内容が決まり、そして治療の費用の総額が決定します。
お支払いのタイミングは、当院の場合、インプラントの費用はお支払いを2回に分けております

  • 1回目は、被せ物以外の手術費用を「一次手術の当日」
  • 2回目は、被せ物の代金を「型取りの日」

当院のお支払い方法は、クレジットカード、銀行でのお振込をご利用いただけます。
※銀行口座へのお振込手数料は患者さまのご負担になります。

お取り扱いできるクレジットカード

▶︎「治療の流れについて」はこちら
▶︎「お支払いについて」はこちら

ローンのご利用について

当院では、歯科治療のためのデンタルローンを取り扱っています。低金利で最大180回払いまで対応しています。
▶︎月々のローンのシュミレーションについて詳しくはこちら
デンタルローンをご利用された場合でも医療費控除制度は受けることができます

デンタルローン

インプラントの保険治療があるって本当ですか?

公的な医療保険である健康保険制度は、「すべての国民が生きていくために必要な医療を受けることができるように」と考えられたシステムです。そのため「生活の質を向上させるための治療」であるインプラントは適用されません。しかし、 厚生労働省が定めた条件を満たすと保険が適用させることがあります。

インプラントの保険適用について

保険が適用されるケースは、

  • 腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気や事故の外傷などの原因で 1/3以上連続して、あごの骨を失ってしまった
  • 骨の移植によって、あごの骨を移植・再建している
  • 生まれつき、あごの骨が1/3以上連続して無い場合や あごの骨が形成不全であると診断された

いずれも、あごの骨が広範囲に失われており、 ブリッジや入れ歯などの治療では噛む機能の回復が難しいと診断された場合、インプラント治療が保険適用されます。

治療の内容を確認されることをおすすめします。


インプラントの費用は、お口の状態によって治療の内容が患者さまごとにちがうことや歯科医院によって価格の設定の仕方も異なるために、Webサイトの情報で自分で見積もるのは難しいです。
インプラント治療を検討されている際、治療内容の内訳と”総額”をしっかり確認されることをおすすめします

そしてインプラントの費用だけを基準に歯科医院をみるのではなく、安心・安全なインプラントのために素材や治療の内容なども視野にいれ、本当に価値あるインプラントの治療を受けていただきたく思っています。


執筆者

野田阪神アルプス歯科
院長/歯科医師/博士(歯学)

橋本 栄

大阪大学歯学部卒
大阪大学大学院 歯学研究科 顎口腔機能再建学講座/有床義歯補綴学・高齢者歯科学分野